ホルモンバランスを整える

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女性の監視役「エストロゲンとプロゲステロン」

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エストロゲンは月経、生殖、閉経という女性のたどる道を統制するための女性ホルモンの一つです。300もの異なる組織がエストロゲン受容体(エストロゲンが組織に化学的によく反応する部位)を備えています。これは体内のエストロゲン濃度が、脳から肝臓や骨へ、組織ごとと器官の広い範囲に影響を与えるということを意味します。子宮、尿路、乳房、皮膚、血管はエストロゲンに依存して収縮・弛緩を行っています。

エストロゲンの濃度は初経の前から、早ければ8歳ごろから順調に上昇し始めます。この過程の中では、視床下部が最も初めに動き、下垂体にホルモンを放出するように合図します。次いで、下垂体は卵巣にエストロゲンを放出するように合図するわけです。

3~4年の間、エストロゲン濃度は上昇し続け、11~12歳になると、月経開始に十分な高濃度(その他の重要なホルモンとともに)になります。

30代前半から女性ホルモンの分泌は低下する

正常な環境下で、約12歳から50代前半までの何年もの間、月経を継続します。しかし、月経の開始前には良好なホルモン濃度の上昇が始まり、閉経の開始前には良好に低下し始めます。30代の早期に、多くの女性はエストロゲン濃度とプロゲステロン濃度の低下と当然の結果として受胎能の低下を経験します。

それから40代前半になると、多くの女性は更年期(この時期はホルモン低下による明らかな症状が出現します。閉経周期として知られている)に入り、ちょうど、閉経の前段階となります。肌は乾燥傾向になり、髪はもろくなり、陰毛・腋毛は薄くなります。なかには性欲の消失、情緒不安定を経験する女性もあります。加えて、まだ月経が続いている女性にいたっては、ホルモン機能は組織に対してしばしば混乱した働きをします。

特に月経前や月経中に顕著となります。内分泌医のリラ・ナハティガル博士(ニューヨーク大学)は、エストロゲン濃度の低下によって、視床下部が卵巣に対してエストロゲン分泌を増やすように指令する原因になると説明しています。視床下部からの指令に対して、卵巣内にはむしろ散漫に反応する老化した卵子が存在していてそれにより1日のうちに上下するホルモン濃度の変動をもたらし、「女性に焦燥感を駆り立てる」。
デービッド・G・ウィリアム博士によれば、この焦燥感がエストロゲンの変動だけではなく、プロゲステロン不足との相乗作用でもある、ということです。

エストロゲンの変動とプロゲステロンの不足が不調の原因

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排卵の時期から月経がはじまる前まで、エストロゲンとプロゲステロンの双方の濃度が上昇することが、本来は理想的です。しかし、もしエストロゲン濃度だけが上昇すると、ホルモンの不均衡によって多くの症状を引き起こします。

例えば、塩分と水分の貯留(むくみ)、低血糖、血液凝固、線維腫や腫瘍の成長、甲状腺ホルモン機能妨害(体重増加および疲労)、コレステロールと中性脂肪の増加、アレルギー反応、体脂肪の増加、細胞内での還元型酸素の増加(脱力感、低エネルギー感覚)、銅沈着や亜鉛喪失のような数々の有害な電解質異常です。

これらの症状は比較的若い女性にもしばしば起こります。しかし、更年期の女性にこれらの症状が出る場合、激しい傾向にあり、特に更年期前の女性に強くなります。40代や50代でもまだ月経が続いている女性では、激しい月経時頭痛、ほてり、寝汗、激しいイライラ感、排尿困難(子宮緊張の喪失の結果)などがよく知られています。

寿命が延びることによって、閉経後の期間は女性の人生の3分の1以上をも占めるようになりました。定義上、更年期は自然の最終月経停止の後に始まるとされています。一度6カ月から12カ月の間月経期間がないと、月経終了に達したと考えられます。米国では平均的な更年期年齢は50歳であるが、相当の個人差が存在します。

賛否両論のホルモン補充療法

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アンチエイジング医療の一つに、ホルモン補充療法があります。
ホルモンは加齢とともに増加するものと減少するものがあり、いずれも老化を加速させる原因になります。増加するのは、ストレス・ホルモンといわれるコルチゾール。コルチゾールが過剰に分泌されると、DHEAや女性ホルモンの分泌が抑えられてしまいます。

一方、減少するものとしては、女性ホルモンや男性ホルモン、若返りホルモンといわれるDHEAや成長ホルモン、睡眠促進や抗酸化作用のあるメラトニンなどがあります。これらは40代以降、急激に減少率が高まるため、睡眠障害や肥満を促すほか、免疫力や代謝機能を低下させて骨や筋肉、精力、視力、皮膚などの衰えも加速させてしまいます。

さて、増加するホルモンに対しては、ストレスをためない、炭水化物の少ない食事をする、適度な運動をするなどの工夫で増加を抑えることができますが、減少してしまうホルモンは、ストレスの回避、運動と質のよい睡眠を除くと、補充する以外ありません。

そこでホルモン補充療法が登場するわけですが、これらは効果がある半面、中には補充することでがんの発症リスクを高めてしまうものもあり、医師や研究者の間でも賛否両論あるのが現状です。


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